I. 概要
2021年1月26日(現地時間)、sudoにおけるヒープベースのバッファオーバーフローの脆弱性(CVE-2021-3156)に関する情報が公開されました。
sudoersファイル(通常は/etc/sudoers配下)が存在する場合に、脆弱性を悪用することにより、ローカルユーザがrootに権限昇格する可能性があります。
参考:https://www.jpcert.or.jp/at/2021/at210005.html

Sudo
Buffer overflow in command line unescaping
https://www.sudo.ws/alerts/unescape_overflow.html

なお、本脆弱性を発見したQualys社より、脆弱性の技術的な解説や脆弱性を実証する動画が公開されています。
今後、脆弱性を悪用する実証コードなどが公開され、攻撃の中で権限昇格に悪用される可能性もあるため、影響を受けるシステムを利用している場合は、早急に対策を実施することを推奨します。


II. 対象
対象となる製品とバージョンは次のとおりです。
なお、各ディストリビューシンにおける対象バージョンは、ディストリビュータの情報を参照ください。

– sudo バージョン 1.8.2 から 1.8.31p2
– sudo バージョン 1.9.0 から 1.9.5p1

なお、本脆弱性を発見したQualys社は、”sudoedit -s /”コマンドを実行し、”sudoedit:”から始まるエラーが表示されると脆弱性の影響を受け、”usage:”から始まるエラーが表示されると影響を受けない、という情報を公開していす。


III. 対策
各ディストリビュータより、本脆弱性を修正したバージョンが公開されています。
各ディストリビュータの情報などを参考にバージョンアップなどの対応を検討してください。


IV. 参考情報
Qualys
CVE-2021-3156: Heap-Based Buffer Overflow in Sudo (Baron Samedit)
https://blog.qualys.com/vulnerabilities-research/2021/01/26/cve-2021-3156heap-based-buffer-overflow-in-sudo-baron-samedit

Sudo
Major changes between version 1.9.5p2 and 1.9.5p1
https://www.sudo.ws/stable.html#1.9.5p2

Red Hat Customer Portal
Privilege escalation via command line argument parsing – sudo -(CVE-2021-3156)
https://access.redhat.com/security/vulnerabilities/RHSB-2021-002

Ubuntu
USN-4705-1: Sudo vulnerabilities
https://ubuntu.com/security/notices/USN-4705-1

Debian
CVE-2021-3156
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2021-3156